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ホットニュース発行10年をむかえて!


 おかげさまで、TOREK自然農法ホットニュースは発行10年を迎えました! 自然農法の実施、消費、流通に関してのさまざまなニュースを発信し続けて10年。そこには多くの学びと喜び、感謝がありました。
 そこで、ホットニュース編集に携わってきたTOREK自然農法責任者 関谷に、この10年間の自然農法への思いと、これからの抱負について聞きました。

・あれから10年
・農産展で分かったこと
・食生活を変える実践はすごい
・自然農法のさらなる完成を
・今、立ち上がる時!


あれから10年
スタッフ:10年、あっという間ですね! ちょうど10年前の平成10年5月25日に「ホットニュース第1号」が発行されたわけですね。
関谷:最初…前責任者が、こんなのをやってみたらとラフな原案を持って来られたのが始まりですね。それを配布…読みやすいように一枚に編集した。それがちょうど25日に近かった。それで25日発行になったんです。毎月、記事がないということはなかったですね。当時はちょうど堀さんが自然農法を始めたりしていましたから、最初は主に実施している方々の紹介が多かったんです。
スタッフ:記事を編集することで生まれた動きはありますか?
関谷:生産者との交流ですね。それ以前はあまりそういうことがなかったですから。また、具合が悪いときに、自然農法の作物を口にできたとか、楽になったなどの良い情報も集まるようになりました。
スタッフ:平成11年には体験学習も始まって、購入者が生産現場に足を運ぶようになりましたしね。
関谷:そうですね…平成の初めから平成10年までの約10年間に、個人で実施される人が増えてきたんですが、そういう実施者の田んぼや畑で体験学習が行われるようになったんです。そういう人たちは、さらにさかのぼって昭和最後の約10年間に、自然農法を実施するグループや集まりがワッと増えたんですけど、そういうところで学んだ方々ですね。また平成10年というと、そのころはまだ市川生産グループのお茶以外、無施肥無農薬の作物の販売は少なかったですね。
スタッフ:当時は荒木さんから届く野菜が主でしたよね。今は必ず野菜か加工品が販売されてますね。

農産展で分かったこと
スタッフ:農産展についてはどうですか?
関谷:ホットニュースでは必ず記事にしていました。たとえば昨年(平成19年)の夏は、出品作物が 339点、実施者70名、さかのぼって平成10年夏は、出品数253点、実施者58名…。
この10年、新しく始めた人と、色々な事情によって、やめた人もいますが、結果的には…それほど増えてないですね…。改めて見ると、これはショックです。これは声を大にしていかないといけないですね。
 農産展の展示に関しては、今ちょうど係で話し合っているところです。何のために作物を並べるのか。無施肥で出来るということは分かった今、その上で、さらに発展していく段階に来ている。展示を見て、よし俺もやろう、と思えるような何かを考えていく必要があります。
 例えば今後、高齢化などの事情で、継続できない実施者も出てくるとすると、それを上回る新規の実施者が出なければ、出品者数が減っていく可能性もありますね。今ここで自然農法をやることの意味、喜びを、再確認する必要があるかと思います。
 TOREKの良いところは、プロは少ないけど、家庭菜園レベルでの実施者は多いところにあると思います。消費者が「作る」という分野に足をふみこんでいる。これはすばらしいことです。でも、思ったより実施者が増えていないという現実もあるんですね…。
 私自身…日本で有数の有機農家がちょっと考え方を変えれば、自然のお米がたくさん供給されるんだ、と安易に考えてしまっていたんです。もう自分たちで苦労して作らなくても世の中が変わってくるんじゃないか? 全国でもそういう生産者がもう出てきている、そういう時代になった、と錯覚していた。でも実は、まだまだそういう時代になるために、私たち自身が取り組まなければいけない、それが去年、痛いほど分かりました。それでも、TOREKの会員がすごいなと思うところは、それではいけないと、早速、今年から田んぼをやるぞという人が数名出ていることです。
スタッフ:それは良い動きですね! TOREK自然農法にとって、ガンバリどきですね。

食生活を変える実践はすごい
関谷:だけど、消費の面については、この10年、日常生活に自然のお米を取り込んでいこう、食生活を変えていこう、とTOREKの消費者がかなり取り組んだと言えます。
スタッフ:確かに。消費の動きは目立ってますね。
関谷:それで取り組んだ皆さんが昨年、日本中の少しでも安全なお米を作っている生産者にコンタクトを取った、ウエイブが起きたんです。そのとき、いろんな生産者や流通関係者は驚いていた。やけに丁寧な言葉遣いの主に関東圏の人たちから、注文が殺到したと。そのくらいTOREKの消費力はすごいものです。そのウエイブが、今後どこにどうつながっていくか、ある意味楽しみではあります。それと同時に、堀さんたちが普及した野菜類や、また加工品も充実しつつあります。だから消費力という面でTOREKのメンバーはすごいです!
スタッフ:「無施肥無農薬の食材を食べる」ということにものすごい関心を持っている。
関谷:そう、食生活を変えていこうという実践は良い方向に行きました。自然農法勉強会も、ここ数年、どちらかというと消費者向けの内容が強かった。食生活を変えよう、作物を買っていこう、それが生産者への一票になるということを強調してきました。
 今年の勉強会では、次のステージである作物を作っていくことに比重が置かれるのではないかと思います。岡田茂吉師のテキストで何を使うかを考えて。消費者も作物の作り方を学ぶことになるでしょう。
 それでもまだ、自然食品の専門店で食材を購入している人たちから見ると、消費面の意識が高いとは言えないところもあります。そういう所に買いに行く人は、化学物質過敏症だったり、そういうものしか体が受け付けない人たちだから、意識が高いのは当然と言えば当然ですけど。ただ5年くらい前からですか、コンビニのお弁当などを好んで食べる人がTOREKでは減ってきています。それは、集会のあとのゴミの整理をしているから分かるんですが、意識は確実に変わってきています。
スタッフ:まずは岡田茂吉師の理念を教えてもらい、それをコツコツと実践し続けて、TOREKメンバーたちの「食」に対する意識が変わってきたんでしょうね。
関谷:自然の食材のお弁当やパンが、ここ数年売られるようにもなりましたしね。
スタッフ:そう、偉いですよね。例えば自然農法の食材に関心のない人に販売作物を見せると、高くて買えないって言うんですよ。それをTOREKの人たちは、健康と、もちろん味の良さのために、惜しげもなく、当たり前のように買っていくじゃないですか。
関谷:ええ、農産展の販売会場なんかは、いい意味で殺気立ってます(笑)。

自然農法のさらなる完成を
スタッフ:話を簡単にまとめると、TOREKメンバーは、消費の取り組みに関してはだいぶ良い、が、作るという点では、まだ物足りない部分があるということ…。
関谷:そう、大それた実施者とか生産者とかいう実施ではなく、自分たちで身近から実践していくという、人任せではない実施が伴っていかなくてはいけないと思うんです。私たちは、最高の理念に基づいて、もう取り組めているんだと思ってしまい、危機感が足りないのではないかと。他の無施肥に関心を寄せる人たちは、インターネットなどで調べて、堀さんの田んぼに行きついて、見学に来るんですが、そういう人たちの目はギラギラしているそうです。何でも吸収しようとする姿勢が見られる。彼らが学び、実践しようとしたら、すぐ追いつかれると堀さんは言ってました。
 それとまだ、無施肥で一般の人に胸をはって発表できるような結果が少ないという現実もあります。農業的、収量的にはまだまだ。具合の悪い人が食べられるということでは、多くの結果が出ていますが、収量に関しては、良い結果もありますが、まだまだ少ない。
スタッフ:身体には良い作物が出来ていて、それによって奇跡的な出来事が無数にあることは確かですよね。それとともに、農業的、収量的すべてにわたって、より完全な無施肥無農薬栽培をめざすということですね。
関谷:世の中に完全なものはないのは確かです。が、そういう意味で、まだ私たちも取り組んでいる途中だということを分かった上で、自然農法を知らせていくのであれば良いと思うんです。自分たちの身の丈が分かっていればいい。
スタッフ:農産展はまさにその知らせる場で、いろいろな人が来てますね。その中でも、あられ屋と和菓子屋の社長さんは毎回来られてますけど、あの社長さんたちはなぜ来るんですか?
関谷:一つには、そういう無施肥のものに関心をもってる人がたくさん集まっているからだと思います。そこはすごい。TOREKの人たちはこんなに無施肥に関心がある、そこが、彼ら社長を引き付けるのかもしれません。
 その一人一人の関心がさらに作るという点にも行き、家庭菜園も含めて、せめて160組くらいの実施者が生まれれば、もっと世の中にインパクトを与えることになる。
スタッフ:160組…今の二倍強といったところですか。

今、立ち上がる時!
関谷:TOREK自然農法としては、勉強会も農産展も体験学習も、皆が立ち上がるという方向にしていきたいと思います。もちろんホットニュースも。ここで今変わり損ねたら……今年からはやっていく年ですね。
スタッフ:でも、何度も言いますが、今まででも相当な奇跡的な出来事は起きてましたよね。
関谷:そうです。今までだって、個人個人、真剣にやっていたわけです。それはまぎれもない事実です。それを土台にして今後、より危機感を持って、より発展したところに向かう必要があるということです。
スタッフ:今年から転換していくとして、来年再来年にすぐ結果が出るということではない…。
関谷:そう…ですね…、まずは身近な私たち係からですね。でも早いなと思うのは、今年から田んぼをやろうという人が何人か出てきていることですね。このように取り組んでいって、10年後振り返ったときに、色々なことがあったけど、そのお陰で、自然農法が発展したんだなと言えるようにしなきゃいけないと思います。
 今日は色々しゃべってしまって、自分を棚に上げて、エラそうなことも言ってしまいましたが、まずは自分たちを知ることが大切、自分たちの取り組んでいる自然農法を。そして、昭和の終わりの10年間のウエイブ、また平成初めの10年間の専業実施者の出現、そしてこの10年間は消費者の意識がめざましく向上したように、皆が真剣に理念に向かい、取り組むことで、4度目の波を私たちの手で作っていく時だと思います。

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責任者 関谷(右)とスタッフ







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ホットニュース第1号

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H10.5.22 撮影
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H20.4.22 撮影
荒木さんが行ったニンジンのビン実験。自然農法のニンジン(左二つ)は10年たっても原型をとどめていて、有機栽培のニンジンは溶けてしまった(120号参照



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H19.8.19 夏季農産展(112号参照





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今年から稲作を始めた木村さん
116号117号参照)




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八王子の作物販売にならぶ消費者









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H20.5.21 勉強会の様子

















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木島平堀農園の見学者









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生産者の体験を聞く消費者



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H19.9.17 木島平圃場見学会
113号参照)

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H20.1.12 山本養鶏場体験学習
117号参照


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